ご挨拶
学校保健への貢献 ~児童・生徒が自分の体と心を守り、時代を生き抜く力を身に着けるために~
「学校保健」とは、学校において児童生徒の健康を保持・増進するための活動であり、健康
教育や保健管理を通じて、自己や他者の健康を守る能力を育成することを目的としています。
もっと簡単にいうと「児童生徒の生きる力(ライフスキル)を育む」ことです。実際、私たちは、この目的を遂行するために活動を行っているのです。
とりわけ、「薬物の使用のルールを守る(違法薬物の乱用防止・市販薬の乱用(OD)防止・ドーピング防止)」ことに関する啓蒙教育は、薬の専門家である薬剤師だからこそ、さらには学校薬剤師だからこそ、児童生徒と対面で実施できる活動です。
さらに、先生方の保健教育の補完やサポートにも繋がります。飲料水検査・プール水検査・環境衛生検査・給食室衛生検査の学校薬剤師の活動の多くは児童生徒のごく一部にしか見てもらう機会がありませんが、毎年特定の学年を対象に啓蒙教育を実施すれば、多くの児童生徒が学校薬剤師の活動を知るだけでなく、大人になってからのライフスキルにも繋がるのです。
今日、調剤薬局勤務の薬剤師の業務は拡大し続けています。多くの薬剤師が学校薬剤師活動を継続するハードルはどんどん高くなっています。AI 等の新しい手法を薬剤師業務や学校薬剤師業務に取り入れていかねばならない時代がすぐそこに来ています。でも、今は児童・生徒との対面=「顔の見える学校薬剤師活動」を推進していかねばなりません。
近年、児童・生徒数の減少により学校の統廃合や再編構想が加速しています。私たちが活動
実施後、校長はじめ管理職に対面で報告することが、もしかしたら新しい学校づくりに役立つヒントになるかもしれません。学校薬剤師は児童・生徒そして教職員の学校における日常生活を直に見る特権を有していますから。学校設置者や管理職に直接働きかけることに遠慮や躊躇することなく、もっと積極的に学校保健におけるリーダーシップを発揮していきたいと思います。
富山県学校薬剤師会は会員活動の進展のため、スキルアップのための情報提供を図るととも
に、(公社)日本薬剤師会、(公社)富山県薬剤師会、そして富山県教育委員会をはじめとする行政機関が計画する諸事業に協力しながら、幼児・児童・生徒の健康教育、快適な学習環境を守るため学校保健関係者とともに推進してまいります。
富山県学校薬剤師会
会長 宮林 紀子
