学校薬剤師とは
学校薬剤師はずっと学校にいるわけではありません。
学校薬剤師はどこに?
学校の児童生徒たちは学校でお医者さんの健康診断(眼や耳や鼻、歯などの健診も含めて)を受けますね。その検診を実施するお医者さんは『学校医』です。学校医さんはずっと学校にいるわけではないですね。
では、学校とは?『学校教育法』上、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校が学校であり、文部科学省管轄となります。
薬と衛生に関する専門家
薬剤師は『薬と衛生に関する専門家』です。学校薬剤師は学校の「保健管理」と「安全管理」について技術及び指導・助言を行うのです。
学校の保健管理とは
- 児童生徒等の健康の保持増進を図ること
- 学校での健康や安全への配慮を行うこと
- 自分や他者の健康の保持増進を図ることができるような能力を育成することなど
学校の安全管理とは
- 学校環境、学校生活、登下校時及び災害発生時などに
- 児童生徒たちを安全に指導し守るための方策
学校は学校薬剤師を設置しただけではダメなのです。また、学校薬剤師を引受けた方も、環境検査や水の検査をするだけではダメなのです。
学校薬剤師ってすべての学校にいるの?
学校薬剤師の法律上の立場は
『学校保健安全法』上、大学以外の学校には学校歯科医、学校薬剤師を置くことが義務付けられています。大学を含めた学校には学校医をおく、となっています。そして学校医、学校歯科医、学校薬剤師はそれぞれの専門性を以て児童生徒たちの健やかな成長をサポートするのです。
保育園・保育所、認定こども園は学校じゃないよね?
保育園、認定こども園はどうなのでしょう?
保育園(所)は厚生労働省管轄となります。認定こども園は、内閣府・文部科学省・厚生労働省が関与し、幼稚園と同じく学校とみなされます。
では、学校薬剤師はどこにいるの?
学校から学校薬剤師として委嘱を受けた薬剤師が「学校薬剤師」です。薬局、企業、病院、行政機関などに勤務している場合もあるため、専任として学校にいるわけではないのです。
学校薬剤師って日本だけに?
昭和初期、ある小学校で発熱して調子が悪くなった生徒に解熱剤であるアスピリンと、昇汞(しょうこう:昔よく使われた消毒薬で、現在では毒薬に指定されている)を間違えて飲ませてしまい、生徒は死亡してしまうといういたましい事故がありました。消毒薬を適切に保管していなかったことが原因です。学校の医薬品・毒物・劇物をしっかり管理できる専門家が必要ということになり、学校薬剤師が誕生したのです。学校薬剤師は世界中でも日本のみに存在する、貴重な職業です。