認定こども園の衛生・環境管理など
概要
幼稚園、認定こども園ともに、学校環境衛生基準を準用されます。したがって、測定するべき項目は小学校や中学校、高等学校などと同じで、特別に認定こども用の測定項目や基準があるわけではないです。
ですから、環境検査実施時には同じ検査票を使用してください。
とはいうものの、就学前の”幼児”あるいは”乳児”も在籍する認定こども園。少し配慮を必要としますね。基準に応じた、よりよい園の環境となるよう、薬剤師としての見地からの指導助言を行ってください。
よくある質問
歯ブラシ殺菌庫使用は推奨されていますか。私の担当園では、殺菌庫は使用せず、個別に歯ブラシやコップを巾着袋に入れて管理しています。また、別の園では行政の巡回指導で、殺菌庫の使用は”問題ない”と言われたとのこと。殺菌庫はメーカーによって性能に差があると思われますし、新型コロナウイルス対応などどしての過剰な期待はしないほうがよいそうですが、歯ブラシもクラス分まとめて殺菌庫にいれて問題ないのでしょうか。
現時点では一般的に歯ブラシ管理は『乾燥させて保管すること』を重視しており、機械を用いての殺菌の必要性は特に言われていないようです。また、友達の歯ブラシと接触しないように、1本ずつ間隔を空けて乾燥させることがポイントとなります。よく洗って水を切った歯ブラシは、1本ずつ立てて乾燥させるようご指導ください。もちろん、乾燥機を使うのもよいでしょう。(R3年5月)
令和2年9月15日発の厚労省事務連絡※(https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000672483.pdf)にも記載あるように、子どもについては、マスクの扱いが不衛生になりやすいこと、発達の面からも嘔吐や体調の変化に気づきにくい、などの理由から、一律にマスクを着用することは求められていません。各こども園を管轄する行政側からも、厚労省の通達以上の指示は出ていないのではないかと思われます。
各園それぞれのやり方で、子ども達の活動に応じて職員の管理のもとにマスクを使用することもある、といったところでしょう。保護者の希望などから園児がマスクを着用している場合は、息苦しさを感じていないかどうか等に十分注意を払い、持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理して着用させず、外すようご指導ください。
大人でも子供でも、本末転倒にならないマスク着用が大切です。特に乳幼児は発達段階にあることから、無理な着用は必要ありません。(R3年2月)
“小学校や中学校、高校ではやらなくてはいけないけど認定こども園ではやらなくても良い学校環境衛生検査”というものは存在しません。
また、認定こども園の運営などに関して指導監査に入る自治体の指導監査部の方も学校薬剤師についてあるいは学校環境衛生基準について熟知されていないかもしれません。
ですので、例えば、
「法律で定められた学校環境衛生基準にはダニアレルゲンの検査もあります。近年アレルギーを持つお子さんも多くなっていますし、園は小さなお子さんが過ごす場所です。どのようなところにダニアレルゲンが検出されるか無いか、を検査して把握し、その対策を講じることは有用かと思います。
検査の実施で子ども達の健康な成長をサポートするのは園の設置者である法人、園長先生の責任となります。ただ、何でも一気に検査を実施するのは大変なことでもありますので、来年以降順番に検査実施の提案をされてはどうでしょうか。」
などとお伝えすること(すなわち指導助言すること)が大切です。(H29年度)