教室等の空気環境
「教室等の環境にかかる学校環境衛生基準」の『換気及び保温等』部分に関しての検査です。
詳細については『学校環境衛生管理マニュアル「学校環境衛生基準」の理論と実践」【平成30年度改訂版】』のp.21~、26~、178~ などを参照してください。
これは、9項目の検査項目に分けられます。どれも大切な検査項目ですが特に『換気』感染拡大予防策を講じるうえでも非常に大切です。適正な測定と適切な指導助言を今後も継続していきましょう。
検査の概要
検査項目により年2回あるいは年1回の測定が必要です。また、検査結果によっては次回からの測定が省略可能な項目もあります。確認しましょう。自分の都合で勝手に測定項目を減らしてはいけません。学校保健法に基づく検査です。学校管理者には丁寧に検査の必要性を説明しましょう。
児童生徒がいる教室で
換気(基準としてCO2濃度を測定する)、温度、相対湿度、浮遊粉じん、気流、CO、NO2については児童生徒がいる教室で、授業中に測定します。
児童生徒のいない教室で測定するのは
揮発性有機化合物(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン)です。
①児童生徒がいない教室で教室などにおいて
②教室内の温度が高い時期に
③30分以上の換気ののち5時間以上密閉して
サンプル採取をおこないます。
測定開始前に、測定中に
測定機器を準備して、さあ!測定!ですね。
けれども、数値を記録するだけが測定ではありません。
窓や廊下側の高窓の配置、その開閉の状況、換気システムの種類と稼働状況、エアコン稼働の有無、教室前方の方角(一般的に西であることが多く、そうなると夏場は南に設置されている窓から強い日光が差し込み暑くなることが類推される)のチェックと記録をしましょう。
よくある質問
外部からのホルムアルデヒド流入を避けることを目的とした5時間ですので、特に上限は定められていません。(R3年度)
蓄熱暖房は暖房の方式であって、換気方式ではないです。『暖房(冷房)の種類』欄の”その他”に○をつけ、【】内に”蓄熱暖房方式”と記載してください。
石油燃料を使用していない暖房である事から、空気の汚れは比較的少ないことが想像されます。それを踏まえ、実際の空気環境測定結果からの考察及び指導を行ってください。
なお、換気方式については教室内をよく観察するとわかると思います。 担当の先生に確認されてください。(H29年度)
基準を超えてしまったのですから不適は不適です。『不適』に○を付けてください。遠慮したり、基準を満たすような嘘の数字を記載したり、『適』欄と『不適』欄の間に○をつけたりすることはやめてください。学校に対して結果を取り繕うのではなく、その結果が出た原因と今後の対策に関しての考察を指導助言することが大切です。