飲料水検査

「飲料水等の水質及び施設・設備に係る学校環境衛生基準」に基づいた学校の飲料水等の検査です。

理化学・細菌検査等は外部委託の学校もあるでしょう。その場合はその結果を必ず開示してもらってください。施設整備の検査まではなかなか外部委託ではされていないことが類推されます。
学校薬剤師が採水・検査を行っていなくても、その結果と施設整備の検査実施結果をもって指導助言を行うことが学校薬剤師の飲料水検査です。

検査の概要

  • 「水質」「施設・設備」の検査に分けられます。
  • 学校によっては使用している水が水道水ではなく、井戸水、雑用水等を使っている場合もあります。また、貯水槽を利用している学校、水道管を直接引き込み(直管)である学校もあります。必ず状況の聞き取りを行いましょう。
  • 水源が『水道水』である場合、『井戸水等』である場合、『専用水道および専用水道に該当しない井戸水等』である場合でそれぞれ基準や検査の回数が異なります。ここでは水源が『水道水である場合』についての検査概略を示しました。

水質

基準では、貯水槽からの給水経路の一番末端(遠位)1ポイントで採水することとなっています。


富山市の場合(学校薬剤師が採水、検査センターで検査)

富山市の場合、遠位ポイントと、貯水槽あるいは水道の引き込み箇所から一番近い水栓(近位水栓)の2ポイントで採水します。また、検査項目は数項目多くなっています。

① 採水は午前中です!


    富山県医薬品総合研究センターへは、午前中に検体提出してください。

② 採水前の準備

採水予定時間より10分以上前から蛇口を開き、放水しておいてください。水道管内のたまり水を排出する目的です。


養護教諭の先生にお願いし、このような張り紙をしておいてもらうとよいでしょう

・遊離残留塩素の測定機器を出してもらいます。

・細菌試験用のポリ瓶は滅菌されたビニール袋から本体を出し、袋に貼ってあるラベルを本題に貼り換えます。

・採水瓶は1セットで大小合わせて4本あります。

・水を触るので、手は必ず濡れます。ハンカチやタオルなどを持参するとよいでしょう。


採水サンプルを持ち運ぶのに保冷バッグはあればよいでしょう。ハンカチタオルなども持参ください。


③ もうちょっと準備

◆採水は遠位、近位、どちらが先でも構いませんが、ラベルをよく見て、採水する箇所を間違えないように。


左から遠位用1Lポリ瓶、細菌試験用滅菌200mLポリ瓶、理化学試験用ガラス瓶、近位の細菌試験用滅菌200mLポリ瓶(富山市の場合)

◆貯水槽の数だけ、採水が必要です(その給水系統ごとに測定することが基準で定められています)。例えば3基の貯水槽があれば採水は3セットです。


④ 現地での官能試験

十分に出した水で手を洗い、水の ⓵色、濁り ⓶匂い ⓷味 を確かめましょう。検査センターでの検査のみが飲料水検査ではありませんよ!


手を洗いましょう

薬剤師ですもの、チェックは必要!


⑤ 遊離残留塩素の測定

セルがきれいかどうかもチェックしてください。
子どもたちが近寄ってきたら何をしているか教えてあげたり、のぞかせてあげるのもいいですね。


0.1mg/mL以上あることが必要です。測定値は記録してください。

⑥ いよいよ採水

遠位は
・ポリ瓶(1L)
・ガラス瓶
  (黄色の衝撃緩衝ネットがまいてあります)
・細菌試験用ポリ瓶(200mL)

近位は
・細菌試験用ポリ瓶(200mL)

◇ポリ瓶(1L)、ガラス瓶
 採水する水で数回ゆすいでから、満水にします。


◇細菌試験用ポリ瓶(200mL)
   ・キャップをそっと開ける。採水直前までキャップは開けない!
   ・瓶の口や内側を手指で触れない
        (滅菌してあるので、汚染させないため)。
   ・水をそっと容器の肩のあたりまで入れる。
   ・瓶をゆすいだり、水をあふれさせたりしない!


1Lのポリ瓶は軽くゆすいで瓶の肩まで満水に

ガラス瓶も軽くゆすいで瓶の肩まで満水に

細菌試験用の小さなポリ瓶は採水直前にそっとふたを開け、あふれさせないようそっと採水。そっと直ぐにふたを閉める。


採水したら研究センターへ検体を持ち込むまで、できれば保冷バッグへ入れましょう。


⑥ 養護教諭の先生に確認、聞き取りを

★日常的に遊離残留塩素がどのくらいあるか
     (毎日記録をされています)
★においや色、味の問題はないか


日常の状態をチェックし、学校の水環境についての話を先生方とすることも大切です。


採水・検査共に外部委託している場合

学校環境衛生基準に沿っての検査となっているかチェックします。

  • 採水ポイントは給水系統の末端の給水栓(遠位ポイント)ですか?
  • 採水後早急に検査が実施されていますか?(採水翌日に理化学・細菌試験を行っているなどしていませんか?)
  • 水質の検査項目はすべて実施されていますか?
  • その結果は基準を満たしていますか?
  • 結果は学校薬剤師はもちろん、養護教諭、校長先生など、学校環境衛生にかかわる先生方が把握されていますか?

以上のチェックを行い、指導助言を行います。
もちろんバッチリと基準を満たし、環境管理を行っている学校であれば、それを継続するようにお伝えくださいね。

施設・設備

水質検査が外部委託の学校であっても、施設設備の検査が外部委託のことはないと思われます。学校薬剤師であれば必ず実施してください。

施設設備の検査は以下の3つです。


給水源の種類
維持管理の状況等
貯水槽の清潔状態

① 採水の前でも後でも構いません。貯水槽の設置してある場所、水道水の直接引き込みの場合は敷地内引き込み箇所へ行きましょう。現場確認を行います。


  • 貯水槽の周囲は泥まみれになったり落ち葉が多かったり雑草が生い茂ったりせず、清潔を保たれていますか?

周りの草、外観の様子、柵の状況をチェック


  • 貯水槽の外観は錆などの発生が無く、きれいですか?
  • 不審者が外部から侵入しないよう、工夫がなされていますか?

② 養護教諭の先生などに以下の聞き取りを行います。


  • 給水源は水道ですか?井戸水ですか?
  • 貯水槽の内部の清掃は毎年定期的に行われていますか?
  • 貯水槽清掃などメンテナンス報告書があれば見せてもらいます。

採水、施設設備のチェックが終われば
   飲料水検査は終了です


採水と施設設備の現地検査が終了すれば、学校での仕事は終わりです。
さあ、校長先生に当日の業務実施報告をしましょう。

富山市の場合は、検査センターに検体を持ち込みます。
(“水質検査依頼書”を一緒に提出することをお忘れないように!)

3日ほどで検査結果が学校薬剤師の手元に郵送されます。
結果はまず電話などで早急に連絡を。
水質検査結果書は必ず学校へ届け、報告してください。
その際、検査結果を踏まえ総合的にお話をされてください。

検査結果書をポンと学校へ置いてくるだけとはならないようにしましょう。
折角の機会です。最近の医療や学校に関するトピックを提供したり、児童生徒の状況を聞いて指導助言をしたり、大事ですよね。